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子供の矯正治療の開始時期について

2018/01/15

矯正治療をいつ始めるのか?

「矯正治療をいつ始めたらいいのですか?」とよく質問を受けます。
お母様方だけでなく、歯科医を含む医療関係者からも尋ねられることがあります。
もちろん、咬み合わせの異常には、様々な種類があり、その原因も違います。したがって、正しい答えは、「矯正治療の開始時期は、不正咬合の種類やその原因、不正咬合の増悪や続発症の可能性、口腔衛生管理、心理的負担、進学転居など、様々な因子を総合的に判断する必要がある」といわざるを得ません。

しかし、適切な矯正治療の開始時期を逸しないためには、前歯が永久歯に交換する時期(5-8歳)に矯正専門医を受診してください。
もちろん治療が必要でない場合も多いでしょう。 しかし、将来どのような永久歯の咬み合わせになるのかこの時期であれば、アドバイスできます。
咬み合わせの異常に気づいてなくても、多くの子供たちが矯正専門医のスクリーニングを受けるべきであろうと考えます。
アメリカ矯正歯科学会では、遅くとも7歳までに矯正専門医のチェックを受けるように推奨しています。
The American Association of Orthodontists (AAO) recommends that all children have a check-up with an orthodontic specialist no latter than age 7.

アメリカ矯正歯科学会から発表された啓発用のポスターです。

子供の矯正治療を比較的早い時期(6-9歳頃)からスタートすべきであるという考え方と、永久歯の交換が進んでから(10-12歳頃)スタートすべきであるという考え方とがあります。

私は前者の方針で子供たちの矯正治療を行っています。
その理由はいろいろあるのですが、子供たちにとって一番大きなメリットの一つは、永久歯が交換し始めた時期から歯ミガキやお口の中を清潔に保つという習慣が身につくことだと思います。

一旦むし歯になって削ってしまうと、もう元には戻りません。

一旦むし歯になって削ってしまうと、もう元には戻りません。
歯ミガキがし易いようにガタガタの歯並びを直し、定期的に通院してしかっりと歯磨きの練習をすることでむし歯の発生をかなり防ぐことができます。
次に重要なことは、比較的早期に歯並びを直し、その後も次々と生えてくる永久歯のスペースを確保していくことで、永久歯がはえそろったときにひどいガタガタ(スペース不足)が出現するのを予防できることです。

中高校生あるいは成人の矯正治療では、あまりにスペース不足が大きくガタガタがひどい場合には永久歯の抜歯を行うことがあります。
低年齢から長期的な管理をすることで、永久歯を抜かなくてはならなくなる可能性をかなり小さくすることができます。

下のグラフは当院での治療結果ですが、治療開始時年齢と歯を抜かずに治療できた割合を示しています。下段の数字が治療開始時の年齢です。左から、小学低学年、中学年、高学年、・・・・・・そして成人と、年齢が高くなっています。 「非抜歯」と書いてある紫色の部分が歯を抜かずに治療できた割合です。それ以外は、歯を抜いたり、もう少し大掛かりな手術をした割合です。
すなわち、小学校低学年から中学年くらいに矯正治療をスタートすると約80~90%の患者で歯を抜かずに治療を行うことができました。しかし、中学生から高校生でスタートすると約50%、大人では20%弱と、歯を抜かずに治療できた割合は少なくなっています。

逆に早い時期から矯正治療することのデメリットは、治療期間が長くなることです。小学生から矯正治療をスタートすると、少なくとも永久歯列が完成する12-15歳くらいまで通院していただく必要があります。さらに、永久歯列が完成した後にマルチブラケット装置による第2段階の治療が必要となる場合も多くあります。その場合には保定期間も含めると高校卒業くらいまでのお付き合いになります。しかし、このような長い期間、ずっと毎週通っていただくわけではありません。もっとも頻繁に通っていただく場合で約1ヵ月間隔です。様子をみているときには2-4ヶ月間隔です。

子供の矯正治療を行う場合、我々の目的は、「永久歯が生え揃った時にむし歯のない美しい歯で正しい咬み合わせを獲得することで、さらに、それをできるだけ長く維持してもらえること」なのです。
そのためには、永久歯交換を観察し、あごの骨組みの成長が終了するまで管理していく必要があると考えています。